秋の野球に番狂わせ:ドジャースがプレーオフで大敗、韓国では「大物食い」がエースを粉砕

ポストシーズンやシーズン終盤戦に突入したプロ野球界で、予測不能な展開が相次いでいる。MLBでは優勝候補のドジャースがまさかの大敗を喫し、韓国KBOリーグでは伏兵チームが各球団のエースを次々と打ち崩す「大物食い」を見せ、ファンに衝撃を与えている。

ドジャース打線が沈黙、ベッツはポストシーズンで苦境続く

ナ・リーグ地区シリーズ第2戦が6日(日本時間7日)に行われ、ロサンゼルス・ドジャースはサンディエゴ・パドレスに2対10で大敗した。投手陣が13安打を浴びて崩壊し、シリーズ成績は1勝1敗のタイとなった。

この試合、「1番・DH」で出場した大谷翔平選手は4打数無安打、「2番・外野手」のムーキー・ベッツ選手も4打数無安打と、打線を牽引すべき上位二人が完全に封じられた。チーム全体としても繋がりを欠き、得点を奪うことができなかった。

特にベッツ選手は、2022年の地区シリーズ第3戦で安打を放って以来、ポストシーズンで29打席連続無安打(22打数無安打)という深刻な不振に陥っている。試合後、ベッツ選手は「ベストを尽くしているが、今は結果が出ていない。非常にフラストレーションがたまるが、前を向いて進むしかない」と苦しい胸の内を明かした。

初回の第1打席では、左翼フェンスを越えるかという大飛球を放ったが、相手の左翼手ジュリクソン・プロファー選手の好捕に阻まれ、幻の本塁打となった。相手先発のダルビッシュ有投手については、「非常に素晴らしい投球だった。脱帽だよ。彼は自分の仕事を完璧にこなしていた」と、その投球術を称賛した。

韓国の伏兵キウム、リーグのエース格を次々攻略

一方、韓国KBOリーグでは、キウム・ヒーローズが「エースキラー」として恐れられている。

LGツインズの外国人投手、トルハースト投手は、シーズン途中に加入後、無傷の4連勝を飾るなど圧倒的な投球を見せていた。しかし、その連勝を止めたのがキウムだった。9日の対戦で、トルハースト投手は4回5失点と打ち込まれ、初めてマウンドを早期に降りた。

そのトルハースト投手が14日のKIAタイガース戦で見事な投球を披露し、6回を2安打無失点に抑え、チームを14対0の大勝に導いた。前日に13安打を放った強打のKIA打線を完璧に封じ込めたことで、逆に彼を攻略したキウムの恐ろしさが際立つ結果となった。

キウムの勢いは止まらない。14日には、ハンファ・イーグルスの若きエース、ムン・ドンジュ投手をも攻略。今季、特に後半戦では「アンタッチャブル」級の投球を続けていたムン投手を相手に、3回途中8失点という衝撃的な結果でマウンドから引きずり下ろし、チームの対ハンファ戦の12連敗を止める劇的な勝利を飾った。

予測不能な展開が野球の醍醐味

MLBのポストシーズンで起きたドジャースの敗戦と、韓国リーグの優勝争いでキウムが見せた「大物食い」は、スター選手や過去のデータだけでは勝敗が決まらない野球の奥深さを示している。この予測不能性こそが、ファンを魅了し続ける最大の理由なのかもしれない。